案外難しいのが料理撮影です。本当はおいしい料理なのに、写真で撮ったらおかしいな……。なんてこともありますよね。どうすればSNSでも美味しそうな料理を画像で見せることができるのでしょうか?そこで今回は、スマートフォンでも、おいしそうに見える料理の撮り方やテクニックを5つのポイントに押さえてご紹介します。必要なものは、スマートフォン・窓(自然光)・A3の紙・白いテーブルクロス・いくつかの飾り付けがあればOKです。あなたの料理写真をもっと魅力的に撮影しましょう!ステップ1:スマホを持って、窓際のテーブルで撮ろう。きれいな写真を撮るためには、なによりもライティングが重要。料理は自然光の下で撮影することで、ツヤと立体感が表現でき、美味しそうな色合いで写ります。万が一、自然光で撮影した際に、料理に影が写り込んでも問題はありません。そんなときは、「A3用紙」あるいは「白いクロス」を手に取り、窓の反対側のテーブルに立て掛けます。そうすると、窓からの光がお皿に反射して、影が埋まり、品物が少し明るく写ります。たったこれだけの事で、強い影が消え見違えるほどにキレイな色が出せます。ステップ2:水平垂直を意識しよう。素人が陥りがちな写真でよくあるのが、「辺に傾いた撮り方」。私もセミナーではよくお伝えするのですが、プロカメラマンがフリーダムにバシバシ撮っている絵が頭に浮かぶのか、皆さんカメラを傾けて撮りたがるのですが、これはやめましょう(笑)。何事もセオリーがありまして、基本的な型(カタ)を抑えるのは大事。写真であれば構図の中に整列や集合などの規則性を出して不安定な構図にしないようにするだけで、グッとプロっぽくなります。↑こういう撮り方はNG!タテヨコが不安定な構図は素人臭さが漂います。↑皿や主題である料理も水平垂直をキッチリ出す!現像時に修正しても良い。ステップ3:三脚を使おう。面倒くさい、使ったことない。大げさじゃない?コレ、よく言われるのですが、結構この差が埋められない差になったりします。ステップ2で書いた水平垂直を意識する時にでも三脚を使えば、腕がプルプルすることもなく、一度決めてしまえば逆に簡単に撮っていけるのでオススメ。どっちみちこういう「もっとキレイに撮りたい」と思うような人、そこに興味を持ってしまった人はスマホであろうが、三脚を買ってしまった方が結果的には幸せです。ステップ4 : 雰囲気を写し取れ!素人写真がなんで素人なのかというと「記録写真」だからです。よく工事現場とかで、作業進捗のためにペッと撮ってたりするの見たことあると思います。あれが「記録写真」。情感や雰囲気、空気感、色味なんか関係ないですよね?文字が読めるように撮ってあればそれでいい。それでは料理はうまく撮れません。写真で大事なのは「美味しそうな雰囲気」です。だって、見ている人は今それを食べられないのだから。「シズル感」という言葉聞いた事ある方もいるかもしれませんが、それです。さて雰囲気なんていう形の無いものを撮るなんて無理と思いますよね。雰囲気は簡単です。それは「湯気」だったり、「ツヤ」であったり、そのものの色や、質感のあるナプキン・ユニークなグラス・食材・葉っぱ・素敵なカトラリーなどです。それらを写真に入れる事で、顧客に疑似体験を呼び起こすことができ、あなたの写真を際立たせることができます。↑階調が飛ぶとか、黒つぶれとかじゃなくてパット見の雰囲気大事↑雰囲気ですステップ5:空間をあけろ!最後は一番感覚的で難しいのですが、一枚の写真の中で主題(料理)とサブ(カトラリー・皿・テーブル・背景)のバランスが大事。いわゆる、「構図」という所です。いろんな方法論があるのですが、私が昔トレーニングとしてしていたのは、極端な構図で撮ってみて、だんだんと主題とその他と、空間を調整していく方法。空間は脳内では「なにもない」という認識ではなく、逆に「何かを読み取る」方向に作用します。特に日本人はそれが強いと言われます。「察する」とか「空気を読む」というアレ出す。なので、恐らく撮っていて不安だと思いますが、思いっきり空間を開けて撮ってみると急にそれっぽくなります。ただし、これまたステップ2で言った事を反故にしないようには気をつけないといけません。絵的な安定感を水平垂直で出しておきつつ、空間を開けて上げるというところです。下記にあげるのが空間を意識した撮り方です。空間が何かを語っていませんか?↑右上左下の空間を開けてるだけでも絵に動きは出ます↑大きく取った黒バックといちごの艶めかしいコントラストいかがでしょうか。この5つのステップは、通常の料理写真を撮影するよりも少し大変だと思います。しかし、試してみる価値はあります。写真セミナーを受けたり、一眼カメラを所有していなくても、上記の様なほんの少しの細部への注意を払うことで、スマホでもクオリティの高い写真が撮れますよ。