大人数の会議になるほどに発言が出てこない。人数をアサインするほどに生産性が下がる。こんな事は何度も目にしてきたと思います。これを社会心理学では、「社会的手抜き」と言います。普通、人数をかけるほどに仕事は進むと考えがちですが、ところがそうではないのです。この「社会的手抜き」を発見した仏の農学者リンゲルマンは、人が綱引きをするときどれぐらいの力を入れるのか人数を変えて計測しました。その結果、1対1で綱を引くより、人数が増えれば増えるほど、1人あたりの引く力が弱くなったのです。・コンサートホールでの拍手・大人数の会議・年末の大掃除思い当たる節は必ずあると思います。個人が悪いのではなく、「人間とはそういうもの」なのです。集団が大きくなればなるほど、個人の評価が難しく、仕事がつまらない場合は、自分ひとりくらいやらなくても大丈夫だと思って、手を抜くようになるのです。したがって、個人別の仕事量が可視化され計測される場合や仕事が面白いと感じている場合は、こうした手抜き現象は起こらないといえます。つまり、会議においても集団のメンバーそれぞれに役割を自覚させ、あらかじめそれぞれが考えた意見を持ち寄って会議を進めることで「社会的手抜き」を防ぐことが出来るだけでなく、長時間の無駄な時間を省くことが出来るのですね!