中小企業経営者や管理職、日々の業務に追われている中で、何が本当に重要か見失っていませんか?今回は、ビジネスの生産性を劇的に向上させるための「エッセンシャル思考(エッセンシャリズム)」についてご紹介します。エッセンシャル思考とは?エッセンシャル思考は、ビジネス戦略コンサルタントのグレッグ・マキューンによって提唱された概念です。彼の著書『エッセンシャル思考:最少の時間で成果を最大にする』で詳しく説明されています。この思考法は、重要なことに集中し、不要なことを削ぎ落とすことで、最小の努力で最大の成果を得ることを目指します。ハーバード・ビジネス・レビューおよびリンクトイン・インフルエンサーの人気ブロガー。スタンフォード大学でDesigning Life, Essentiallyクラスを開講。2012年には世界経済フォーラムにより「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出された。著書の『エッセンシャル思考』は全米でも日本でもベストセラー。エッセンシャル思考の主なポイント「最小の努力で最大の成果」資本主義において、夢の様な言葉ですねw 下記にエッセンシャル思考を大胆に噛み砕くとこういう事です。1. 選択と集中「すべての仕事やタスクの中から、真に重要なものを選び出し、それに集中します。」→真に重要な事をどうやって選択します?2. 必要なことにノーと言う「多くの依頼や期待に対して「ノー」と言うことを学び、自分の優先順位を守ります。」→それが出来たら苦労しないというサラリーマンがほとんどです。3. シンプルさの追求「複雑なプロセスや不要なステップを排除し、シンプルで効果的な方法を見つけます。」→まずもって、自身が日々しているプロセスに対して疑問を持たないと始まりません。4. 休息とリフレッシュ「十分な休息とリフレッシュを取ることで、生産性を高めます。」→だからと言って、しょっちゅうタバコを吸いに行っていいという訳ではありません。実例:成功する中小企業のエッセンシャル思考事例:株式会社「山田製作所」株式会社「山田製作所」は、従業員50名の中小製造業者で、部品加工を主な業務としています。山田社長は、毎日の業務に追われる中で、従業員の士気が低下し、納期遅延が増加する問題に直面していました。そこで、エッセンシャル思考を取り入れ、思い切った選択と集中に着手することに決めました。Step1. 全業務の見直しと重要タスクの特定:山田社長は、全ての業務を洗い出し、各プロセスの重要性を評価しました。これにより、売上に直結するプロジェクトと、内部の効率化に貢献するプロジェクトを特定しました。Step2. 不要な会議と報告書の削減:週に3回行われていた全体会議を、月に1回の重要事項のみを共有する短い会議に変更しました。また、毎日の詳細な進捗報告書を廃止し、週に1回の簡潔な報告に切り替えました。これにより、従業員は日常業務に集中できる時間が増えました。Step3. 従業員へのエッセンシャル思考の導入:各部門のリーダーに対してエッセンシャル思考の研修を実施し、それぞれの役割において重要なタスクに集中するよう指導しました。例えば、製造部門では、生産ラインの効率化に直結する改善提案に焦点を当て、営業部門では、見込み顧客との関係構築に集中するようにしました。Step4. 定期的な見直しと改善:毎月のこの取り組みに対しての評価会議を実施し、各部門の進捗状況を確認。エッセンシャル思考に基づく業務の見直しと改善を継続的に行いました。成果:エッセンシャル思考を導入してから6ヶ月後、山田製作所では以下のような成果が観測されました。生産性が20%向上納期遅延が50%減少従業員満足度が向上し、離職率が低下利益率が15%増加エッセンシャル思考を実践するための具体的なステップ1. 優先順位の再評価自分の目標や価値観に基づいて、最も重要なタスクを見極めましょう。2. タスクの整理不要なタスクやプロジェクトを排除し、必要なものだけに集中します。3. 計画の立案効率的に重要なタスクを達成するための具体的な計画を立てましょう。4. 実行と見直し計画に従って実行し、定期的に見直して改善を図ります。結論エッセンシャル思考を導入することで、無駄な時間や労力を削減し、本当に重要なことに集中できるようになります。日本の中小企業経営者の皆様、ぜひエッセンシャル思考を取り入れて、ビジネスの生産性を最大化しましょう。と言いたいところですが、こんな簡単に改善出来るのであれば誰も苦労はしない話で、なによりも、「最小の努力で最大の成果を得ること」という事自体が誰も否定ができない至極真っ当で理想論だということです。エッセンシャル思考がいい悪いという話よりも、これはあくまで中小企業に取って業務改善を図るためのキッカケや方便なんだと思います。その意味で、「最小の努力で最大の成果を得ること」というのは起業活動に取って本質的で大事な考え方です。なぜなら、それは経営者でなくてもサラリーマンでも否定できないからです。理想論だろうが、否定できない事を掲げられてそれでも「出来ない」というのはそれこそ変えてはいけない業務フローをあぶり出しているのか、もしくは「言い訳」です。当たり前の理論と馬鹿にするよりも、その理論をどうやって生かすのかを考える方がよっぽど生産的ですよね。